作曲家 管理人の好きなフルートで吹ける曲(タイトル)
JS.バッハ バイオリンとハープシコードのためのソナタ BWV1017 からシチリアーノとアレグロ

バッハの6曲のソナタの中でもとりわけ美しい曲です。アレグロはフルートには吹けない部分が1〜2箇所出てきますが、吹いた気になれば無視できます。シチリアーノとは、6/8拍子の舞曲のことですが、この曲を吹くときは『聖母マリアが幼いイエスキリストを腕に抱いてあやしているところ』を想像しながら吹いてください。

 マリアはこの子が神の子だと知っている。神への畏れ。神の子を抱く喜び。ちゃんと育てられるだろうかという不安。

 すべての母親が自分は神の子を抱いているのだという気持ちでわが子を育てるなら、子を虐待する母親はいなくなるだろうに。
   
シチリアーノ                         

アレグロ
マラン:マレ パリのサント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘 作品集 LA GAMME・・・・長いので省略
 この楽譜アメリカから取り寄せてびっくりしました。1723年出版の手書きの楽譜をそのまま印刷したものだったのです。これって著作権は無いでしょうねえ。この一冊そのまま演奏したCDがあります。寺神戸 亮(てらかど りょう)さんが、バイオリンの古楽器で見事な演奏をされています。
 マラン.マレについては、数年前に”めぐりあう朝”という師匠のサント:コロンブとの師弟関係を描いた映画で有名になりまして、ヴィオラ ダ ガンバを習いたいという人が増えたのだそうです。   もともとバイオリンの曲ですがフルートで吹いても素敵です。 初めて聞いたときはバイオリン以外の例えば、ビオラ ダ モーレみたいな楽器で演奏しているのだと思いました。
ショパン ノクターン21番 ハ短調 普通のノクターン集には載っていませんね。19番までの版が多いいですから。哀愁を帯びたシンプルな旋律が印象的な作品です。
 フルートでは演奏困難な高音域がでてきますが、ごまかしてもちっとも変ではありません。この曲の他にも ワルツ イ短調 もいいです。
 全音楽譜からショパン ピアノ遺作集が出ています。またこの曲集(関 孝弘さん校閲、演奏)のCDも徳間ジャパンコミュニケーションズから発売されています小品ばかりですが、そこはショパン。キラ星のような作品でいっぱいなので、ぜひフルートで吹いてみてください。
ショパン ワルツ作品69−2 ロ短調 ピアノのページで紹介した、映画 ラ・マンのラスト挿入曲。フルートのために作曲されたようなピッタリ感があります。ところがバイオリンで弾くと、調性には問題ないんですが、表現がすごく難しいんです。
 母親日本人、父親東欧人の美人演奏家:カテリーヌ・マヌーキアン が、ショパンの作品ばかりバイオリンで弾いてるアルバムがあります。
アルビノーニ オーボエコンチェルト ニ短調 作品9-2 オーボエの音域は知らないいんですがフルートでも吹ける曲ばかりのようです。アルビノーニのアダージョでも有名なこの作曲家らしい、伸び伸びとした上品な曲です。他にもオーボエのための曲がたくさん残されており、いずれ劣らず情感豊かな作品です。さすがベネチアでビバルディと人気を二分した巨匠ですね。
 当時のベネチアではそろそろオペラが流行りだしており、マルチェロという作曲家、(法律家で政府高官)が地方からオペラの曲を携え、ベネチアに乗り込んできたのですが、これにはビバルディとアルビノーニが協力して対抗したのでした。この二人にタッグを組まれてはさすがのマルチェロも力及ばず、失意のうちに帰郷せざるを得ませんでした。
 しかしマルチェロもまたオーボエの名曲を残しており、映画:ベニスの愛のテーマに使われましたし、NHKドラマ:向田 邦子作 父の詫び状にも効果的に挿入されていたように記憶しています。
オーボエの名手 ハインツ・ホリガーの絶妙な装飾音で彩られた演奏でどうぞ。
ヴィヴァルディ ピッコロ協奏曲 ハ長調 ファンナ番号6−4 アントニオ ヴィヴァルディ(1678-1741)は、当時のほとんどの楽器のために 作曲していますので、マンドリン、ファゴット、ソプラニーノといったようなマイナーな楽器を演奏する人にとっては、とてもありがたい作曲家なのです。
 私は観たことが無いのですが、30年ほど前の、野生の少年という実話映画の主題に使われたとのことです。あらすじはこんなだと聞いております。

 チベットだかロッキー山だかとにかく山険しく、狼が棲んでそうな場所を想像してください。そこでどうやら狼に育てられたのではないかと思われる少年が保護されました。夜を怖がらず、月を見上げて遠吠えをする。四足で歩き攻撃的。地元の人はどうしたものかと思案していたところ、うわさを聞きつけたアメリカ人の医師夫妻が引き取りたいと申し出ます。
 さて引取ってはみたものの少年は、服を着たがらない、もちろん言葉を覚えない。想像を絶する苦労をしますが、やがてそれは報われます。夜に眠り、立って歩けるようになります。そしてある日、奥さんが「これはミルクよ、ミルクって言ってみて」と話しかけますと、少年は「ミ・ル・ク」と答えます。ついに会話ができるようになったところで映画は終わります。
 
 もとはソプラニーノのための曲。バイオリンで弾いたら(少年)って感じがしない。 美貌のリコーダー奏者:ミカラ・ペトリの演奏で、どや?

これはmidiデータ
ドップラー ハンガリー田園幻想曲 「何を言っとるんだ、これは純粋なフルート曲ではないか」とお叱りを受けそうですが、紹介しないではいられません。

 このハンガリー生まれの作曲家の作品、現在でもドイツ語圏ではさっぱり評価されないのはどうしてでしょうか。

 「山の彼方の空とおく幸い棲むと人の言う」という詩で日本では有名な詩人 カルル・ブッセもまた本国ドイツでは、「観念的である、論理性に欠けている」という理由で、全く評価され無いにもかかわらず、日本人の感性にはピッタリきますよね。ベートーベンの喜びの歌の作詞家シラーよりいいと思います。

 ドップラーのこの曲もまた、京の五条の橋の上で、弁慶と牛若丸が初めて出会うシーンで、牛若丸の吹いている横笛の曲がこれだったとしても少しも変じゃないほど日本の田園情緒に合うんですよこれが。この曲を聴いてフルートを習い始めた人も多いいはずです。

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